「支配勢力が攻撃してくる」…謎の妄想に取り憑かれて迷走中の鳥取県知事に抱いた「強烈な違和感」

不可解な「有害図書指定」

「スタバはないけど砂場(鳥取砂丘のこと)はある」という発言をするなど、ダジャレ好きで有名な鳥取県知事・平井伸治氏(全国知事会会長)の様子が変だ。非常に心配になったので、今回は平井氏の動向について取り上げたい。

 

背景にあるのは2つの問題だ。1つは、有害図書指定の問題。そして、もう1つは鉄道(山陰新幹線の建設と赤字ローカル線の維持)についての問題だ。

まず、有害図書指定の問題から見ていこう。

photo by Gettyimages

2022年2月、出版社「三才ブックス」が出版した3冊の本(アリエナイ理科シリーズの書籍2冊、ラジオライフ別冊ムック1冊)が、ショッピングサイトAmazonで販売停止になった。三才ブックスがAmazonへ問い合わせたところ、「鳥取県によって青少年に有害な図書として指定されております。そのため、Amazonでは、これらの商品の販売及び販売のための掲載を禁止しています」との回答があった。

「有害図書」は都道府県の条例に基づいて指定される。鳥取県においては、青少年健全育成条例で「青少年の性的感情を刺激し」「粗暴性または残虐性を誘発し、または助長し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの」を指定すると定めている。

「有害図書」に指定されると、青少年、つまり18歳未満の子どもたちへの販売が禁止されることになる。鳥取県は、平井知事のもとで2020年に条例を改正し、従来の店頭での販売だけでなくインターネットを通じての販売も禁止した。2022年4月、三才ブックスが再び鳥取県に問い合わせたところ、以下のようなやり取りがあったという。

<鳥取県の担当部署のA氏から返信が届きます。「お問い合わせの議事録としては、以下のページで掲載している状況です」 としてURLが記載されていました。そのリンクを開くと現れたのが、「令和3年度第1回鳥取県青少年問題協議会有害図書類指定審査部会(会議概要)」というPDF1枚です。そして、指定内容については「委員が図書全体を閲覧して結果を判断しており、具体的にどの部分が指定に該当するか等の発言はないため、 議事録としては、ホームページに掲載しているような内容となっています」>

その後のやりとりをを含めて、審議内容も、「有害な図書」であると判断した理由は結局わからないままだったそうだ。

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