選手個人の「底上げ」をせよ
さらにボーン氏は、以下のような主張をしている。
「今の時代のサッカーチームは、暗闇の中を目的地に向かって歩いていくようなものだ。懐中電灯があったほうがいいのか、なかったほうがいいのか。真っ暗闇の中で、自分の感覚を頼りに、周りの地球の様子、前回の様子、試行錯誤、木や信号、消火栓があるかどうかなどを把握する。その知識を他の人に伝えることもできますが、崖から飛び降りないように、保守的に行動する必要があります。また、懐中電灯を使っている人の中には、『自分は誰よりもよく見える』と過信して、ライトを別のところに向けていたために見えなかった地割れでつまづく人もいるかもしれません」
「(勝つために必要なのは)最高の人材がピッチの上にいるべきということはわかっているが、自信をもってベストプレイヤーを客観的に判断するのはとても難しい」
「データが全くないよりはいい結果を生むが、今得られるサッカーのデータは、バスケットボールのダンクシュートのデータがある程度のもの…マイケル・ジョーダンはダンクシュートを入れまくったけど(笑)」
バスケットボールには、ダンクシュートだけでなく通常のシュートや3ポイントシュートなど多彩な攻撃があるが、サッカーはダンクシュートぐらいの限られた部分しか解明が進んでないということだ。どんな要素で試合に勝ち、何が重要で何が重要でないのかは、まだわからないという。
結果に対して賞賛や批判がいくのは、当然のことであり、予選リーグを突破し、16強に導いた森保監督は賞賛されて然るべしだ。
とはいえ、次のワールドカップに向けて、日本代表が強化すべきは、選手個人個人の底上げが大事だということだ。監督の手腕に期待するのは少しにして、世界一流のリーグで活躍する高い年俸のプレイヤーをどれだけ輩出できるかにかかっているといえよう。