2023.01.09
# ライフ

生前贈与を受けた兄妹、その後「実家の値上がり」を知り妹が大激怒…「800万円」をめぐる壮絶バトルの一部始終

合意のもとに始まった生前贈与

今まで良好な関係を築いていたはずの家族が突然壊れてしまう恐れのある相続トラブル。一般社団法人 相続解決支援機構が行った「相続トラブルに関する調査(2022年)」によると、相続経験者の中で何らかのトラブルを経験した人は、78.7%もいることが分かった。

トラブルの原因が「不動産相続」であると回答したのは40.8%と最多であった。「物理的に分けられない」「1円単位での分割が困難」という特徴がある不動産相続はトラブルの原因となりやすいようだ。

埼玉県在住の自営業、タケルさん(仮名、43歳)も生前贈与をめぐり思いがけない争いに発展したという。

「10年前、妹が結婚を機にマンションを購入したことが事の始まりでした。母が少しでも返済額を減らしてあげたいという親心で、生前贈与として現金500万円を渡すことを相談されたんです。その際、私が母の住まいである築20年の戸建て住宅を相続する話となりました」

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タケルさんの父親は不慮の事故で15年前に他界し、3LDKの戸建て住宅に母親が一人で住んでいる状態だった。車がないと生活が不便な場所だったことや、一人暮らしには広すぎる住まいに、母親としても手放すことを考えていたそうだ。

母親、タケルさん、そして妹の3人で話し合った結果、妹は500万円の現金、兄のタケルさんは1500万円相当の戸建て住宅を相続することが決まった。1500万円という数字は、当時売り出されていた近所の戸建ての額から、タケルさんの実家と同じ条件を満たす住宅を参考にしたそうだ。

決定の際は、タケルさんが母の住まいを確保し家賃を支払うこと、戸建て住宅の修繕や売却に関する費用は自身が持つことを条件にその内容を書面で残し、3名分の母印を押したという。

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