「あっ、隣のビルにぶつかる!」
ヤマトに佐川にゆうパックが重なる歳暮・お中元の時期は時間が読めず、1日になん度も、いくつもの階を二人で手分けして探索に出たとか。
宅配ボックスはロビー横にあるが、米、ペットボトル、果物など重いものを置いていかれるとがんばって運び上げるのが大変だから、ほとんど使っていない。
タワマンには災害に弱いという問題もある。高層建築は、倒壊しないように弾力性を持たせた耐震構造か制振構造になっている。筆者は仕事場にしていた湾岸沿いのタワマンの30階で、東日本大震災に遭遇した。
耐震構造だったのでマンションの中層階を軸にして振り子のように左右に大きく振られて揺れ、座っていた椅子ごと2メートルほどダダダッと移動した。目撃した近くのホテルの支配人が「あっ、隣のビルにぶつかる!」と戦慄したほど大きな振幅だったという。
絵の額縁が壁に突き刺さり、部屋中の物入れの扉が開いて中身が飛び出し、床が上下するたびにゴロゴロと転がり回り、正気になった時は瓦礫の山になっていた。お隣では海外で買いそろえたバカラのグラスセット、ウエッジウッドの食器セット、マイセンの陶器人形が全て「瞬殺」されたという。