2023.01.17
# 音楽 # クラシック

「クラシックをなかなか好きになれない」と悩む人に、筋金入りのクラシックオタクが“全力で伝えたいこと”

クラシック音楽はお好きですか? 興味はありますか?

「なんとなく気になってはいるんだけど、ちょっとハードルが高いかも......」と悩むあなたに、筋金入りのクラシック通である慶應義塾大学教授・許光俊氏が、クラシックの楽しみ方、意外なトリビア、背景にある歴史などを楽しくお伝えします。

もちろん、すでにクラシックが大好きな方が読んでも、楽しい発見があるはず。

どうぞご堪能あれ。

(本記事は、『はじめてのクラシック音楽』の一部を抜粋、編集したものです)

クラシック音楽はお好きですか?

入門書。これほど空しい本もありません。

クラシック音楽の魅力を説く。これほどバカバカしいこともありません。

あなたはあるひとを好きになったとき、ある店のラーメンをおいしいと思ったとき、お酒の味がわかったと思ったとき、スポーツの試合に勝って有頂天になったとき、いちいち説明を読んでそうなったのでしょうか。いいえ、違うでしょう。もっと直感的に、瞬間的に、理屈抜きに、自発的に、ああ、好きだ、いい、おいしい、嬉しい、そう思ったのではないですか。

誰も行ったことがない秘境の魅力を語る。これには意味があるでしょう。誰も知らないのですから。しかし、クラシック音楽は、すっかり日本に定着しています。嫌でも学校の授業の時間に聴かされるし、楽器を習う人は多いし、あちこちのBGMで使われているし、何を今さら。

おまけに、現在では無料で聴ける音源がインターネット上にいくらでもあります。モーツァルトのピアノ曲をたまたま聴いて、いいなと思ったら、「モーツァルト」、「ピアノ」などと入力して検索すればいくらでも見つかるのです。入門も何も……。好きになったら、あとはどうにでもなるのではありませんか。