2023.01.23
# クラシック # 音楽

クラシック音楽の名作、つくられた当時は「芸術作品」として受け入れられたのか? 歴史を振り返って見える「意外な事実」

クラシック音楽はお好きですか? 興味はありますか?

「なんとなく気になってはいるんだけど、ちょっとハードルが高いかも......」と悩むあなたに、筋金入りのクラシック通である慶應義塾大学教授・許光俊氏が、クラシックの楽しみ方、意外なトリビア、背景にある歴史などを楽しくお伝えします。

もちろん、すでにクラシックが大好きな方が読んでも、楽しい発見があるはず。

どうぞご堪能あれ。

(本記事は、『はじめてのクラシック音楽』の一部を抜粋、編集したものです)

昔の人はみなクラシックを聴いた?

昔の人々のみながみなクラシックを好んで聴いたかどうか。少なくとも、18世紀のヨーロッパの人たちにとって、音楽は高級な「芸術」ではありませんでした。あくまで耳のための娯楽であり、夜の暇つぶしであり、あるいはミサや儀式のための実用的なものでした。今日の私たちがクラシックに対するような態度で聴いていたわけではないのです。演奏中の私語や拍手も普通でした。

それが19世紀になると、音楽(や美術など)は、個性の表現であり、人間の真実を語る尊いものであるという考え方が広まったのです。そして、音楽家は、ただの職人やエンターテイナーではなく、芸術家として尊敬の対象になっていったのです。

それは徐々にキリスト教が力を失っていく時期でもありました。芸術は宗教の代わりを務めるようになったのです。音楽を聴いて癒されたり、希望や救いを感じるなんて、まさに神さまの代わりではありませんか。