クラシック初心者は「オンラインで聴かず、CDを買おう!」、クラシックオタクがそう力説する理由
クラシック音楽はお好きですか? 興味はありますか?
「なんとなく気になってはいるんだけど、ちょっとハードルが高いかも......」と悩むあなたに、筋金入りのクラシック通である慶應義塾大学教授・許光俊氏が、クラシックの楽しみ方、意外なトリビア、背景にある歴史などを楽しくお伝えします。
もちろん、すでにクラシックが大好きな方が読んでも、楽しい発見があるはず。
今回は、みんな気になる「オンラインで聴くか、CDで聴くか問題」を取り上げます。
(本記事は、『はじめてのクラシック音楽』の一部を抜粋、編集したものです)
クラシック音楽をどうやって聴くか?
という問いは野暮でしょうか。若い人なら、スマホでイヤホンが当然? かもしれません。昔はFM放送というのも大事な手段でしたが、今ラジオを好んで聴く人はそう多くはないでしょう。私は車の中で聴くのが好きですが。ふだん自分が選ばない曲や演奏家を知る大事な機会です。
それはともかく、ここで端的に私が問いたいのは、CDで聴くか、オンラインの音源で聴くかということなのです。ある程度の年齢の人は、CDやレコードといったモノがないと何となく落ち着きません。が、若い人はそんなことはないでしょう。
新しい技術は、もし有効なら、用いたほうがいい。オンラインの活用を避けるべきではありません。無料であれ、有料であれ、実に珍しい曲や演奏が、容易に見つかるからです。コツコツとCDやレコードを買い集めて来た人たちにはショッキングですらあります。