最近、首都圏の築20年超えの中古マンションを購入した30代の女性から、マンションの修繕についての相談がありました。
「管理費だけで修繕積立費がない」分譲マンション?
この方はマンションを購入するときに仲介業者から「この物件は管理費の徴収だけで修繕積立金の徴収はない」と聞いていたので、ランニングコストが低く抑えられることに魅力を感じ、購入を決めたということでした。
その後住み始めてから気が付いたのですが、管理組合はあるけれど、理事もいなければ監事もいないし、そもそも管理規約がないというのです。そこで、「今後の修繕のことや、将来的にこのマンションはどうなるのでしょうか?」という心配を抱えられたご相談でした。

そこでその相談をもとに、登記簿謄本を取って調べてみると、このマンションは竣工時は、マンション一棟まるごとを一人の人が所有する「賃貸マンション」でした。その後、その所有者が亡くなり相続が発生したのです。
相続人は3名おりましたので、部屋ごとに区分して登記し直して、それぞれ独立して相続したようです。ある相続人にはこの部分、こちらの相続人にはこの部分を相続させるといったような遺産分割をしたのです。そのうちの1名がその区分所有している一部屋を売りに出して、その女性が購入したということです。
不動産会社が分譲マンションとして販売する一般的なマンションとは異なり、これは賃貸マンションを途中から区分建物に変更登記して分譲されたマンションなので、管理組合が設立されておらず、管理規約などの承認もなかったのです。