三角の保障、四角の保障それぞれのメリットデメリット
一生涯保障する保険を終身保険、ある一定期間を保障する保険を定期保険と呼びます。
お子さんが独り立ちするまでの期間を補填する定期保険には大きく分けると2つの形があります。
ひとつは、四角の保障といわれる、従来の定期保険。お子さんが生まれてから大学を卒業し独り立ちするまでの期間、自分が死亡した場合に不足するであろう金額を保険金額とする定期保険です。
先ほどの夫婦で考えてみると、夫が亡くなり、妻が遺族年金を受取っても約20万円の収入減となりますが、夫の一人分の生活費がなくなることと、ひとり親の手当てなどを考慮に入れ、月15万円の補填と考えると、これから下のお子さんが独り立ちするまでの20年間の不足分として15万円×12か月×20年間で3,600万円が必要と考えられます。
これを四角の保障。つまり加入当初から、20年後の期間終了まで、一定の保険金額3,600万円を保障する定期保険に加入すると、保険料は10,188円になります。20年間に払う保険料総額は2,445,120円。この期間内に死亡や高度障害など、支払対象事由が起きなければ、すべて掛け捨てとなりますが、期間内どの時点でも支払対象事由が起きれば3,600万円受取れ、生活の大きな支えとなります。

もう一つの形は三角の保障といわれる、収入保障保険。定期保険は期間内どの時点でも同じ金額を保障しますが、収入保障保険は、基本的には対象事由が起きた時から、毎月保険金を年金受取方式で受取る保険です。
月15万円を補填する場合は、文字通り、月15万円を支払う保障内容で契約します。
月額15万円保障期間20年間の収入保障保険の保険料は3,450円。定期保険に比べると保険料は約1/3と安いのが特徴です。保険料が安くなるのにはわけがあります。38歳加入直後に死亡または高度障害など支払対象事由が起きた場合の受取総額は、受取り方は月ごとになりますが、受取総額は定期保険と同じ3,600万円です。ですが、10年後48歳で事由が起きた場合、受取期間が残り10年に減りますので、受取総額は半分の1,800万円になります。保険期間が経過していくごとに右肩下がりに受取総額が減っていくことから、どの時点でも定額を受取ることができる従来の定期保険に比べ、保険料が格段に安くなっているわけです。総額は少なくなっていきますが、お子さんが独り立ちするまでの時間も減っていくわけですから、理にかなった保険と言えます。
とはいえ、大学入学や就職などの大きなお金が必要な時は毎月の受取りでは心もとないという声も聞こえます。そのような場合は、一括受取も可能です。但し、一括受取は月々受取るより総額が少なくなりますので注意が必要です。
この例の収入保障保険の保険料総額は828,000円。定期保険と同様、支払い対象事由が起きなければ、掛け捨てになる保険料ですから、万一の際きちんと補填してくれるのであれば、安い保険料の方が家計に優しいのではないでしょうか。定期保険の大きな支えも魅力ですが、毎月一定の収入を保障してくれる三角の収入保障保険は、十分な力を持つ保険といえます。