2023.02.07

「女性がいると会議が長引く」森喜朗元首相の女性蔑視発言に共鳴して噴出した、オッサンたちの「とんちんかんな本音」

日本一の「オッサン村」ーー永田町の非常識、政治メディア の実態。
全国紙初の女性政治部長が克明に記す「男社会」のリアル。

なぜ、永田町と政治メディアにオッサンが多いのか?
幾多の「壁」に直面してきた政治記者が男性優位主義の本丸で考えた、日本社会への処方箋。

*本記事は、佐藤千矢子『オッサンの壁』(講談社現代新書)を抜粋・再編集したものです。
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私もオッサン?

新聞記者というのは、会社に所属していても基本的には一匹狼だ。しかし、管理職になれば、当然、会社や組織の事情と無縁ではいられない。政治部長になって戸惑ったことはたくさんあるが、女性記者にどうやって気持ちよく働いてもらうかについても悩みが多かった。

例えば人事異動の季節になると、政治部でも女性記者を多く採るよう会社サイドから口を酸っぱくして言われる。地方支局や他部署からまず希望者を探すのだが、政治部の場合「なんとしても政治記者になりたい」という人は毎年、必ずいるものの、数自体は多くはない。仕事がきついということもあるが、やはり特殊な世界で、仕事のイメージが湧きにくいからだろう。女性記者となれば、希望者はかなり限られてくる。

新聞社で人気の部署はその年によって異なるが、最近はデジタル部門や、くらし関係の部、外信部、運動部、学芸部、科学環境部などに人気が集まっているように見える。

女性が働くにあたって、結婚は今の時代さすがに障害にはならないと思うが、出産や育児というライフイベントを仕事と両立しながら乗り切っていくのは、簡単なことではない。「ワンオペ育児」と言われるように、育児も家事も、さらに働く女性は仕事も、すべて女性が一人でこなさなければならないという環境は、いっこうに変わる気配がない。子どもが大きくなるまでは、短時間勤務が必要になる女性記者は多い。

自分が人事をする側に立った時、どうやって女性記者を政治部に口説くか、そのうえで果たして何人まで増やせるだろうか、と考えた。政治部で育児休業を何人もの記者が取ったり、制限勤務の記者が多数出てきたりしたら、組織は果たして回るのだろうか、一体どうやったら回せるのか。もし政治部に入ってきた新人記者が、仕事に慣れる間もなく、いきなり出産・育児で長期間、休むと言った場合、それは当然の権利なのだが、部全体で気持ちよく応援してあげられるのか。その新人記者が不当に責められることにならないか。私自身も人事の見通しの甘さを批判されるのではないか――。