家庭内は「マイクロアグレッション」の温床?
多様化の今、1970年に提唱された「マイクロアグレッション」が注目を集めています。日本語では「小さな攻撃」となり、明らかな差別に見えなくても、ジェンダーや人種などのステレオタイプや偏見による発言や行動を指します。
家事や育児や介護は女の仕事と無意識に思い込み、自分が正義だと思っている人は多く、家庭内こそ、マイクロアグレッションの温床。これに辟易した妻が離婚を考え始めるというのもよくある話。
ドラマの第一話のケンカのポイントとして、「(夫・悟郎が)トイレを座ってしない(飛沫が飛び散る)」、「食べたものをそのままにする」、「(夫・悟郎が)料理をしないのに、だされたレトルトカレーに口をつけずにプリンを食べる」「ゲームばかりしている」「妻(蛍)の愛読書である司馬遼太郎の本をぼろぼろにする」などがあります。

いずれも、女は家事をするものであり、女の考えることはくだらないと心の底で思っているからこそしてしまう。そして、それが、どれだけ妻に負担をかけ、侮辱し、尊厳を奪っているか、夫は全く気付いていない。
悟郎の性格設定に、「明るくておおらか、やさしくて力持ちで癒やし系の一面もある一方で、能天気で面倒くさがり、ずぼらで鈍感、かつ気弱で優柔不断」とあります。
夫は妻にひどいことをしている意識がない。そこをコミカルにリアリティたっぷりに描いているのが、『忍者に結婚は難しい』の見どころのひとつです。

男尊女卑=昭和の男と言われます。いわゆる昭和の男の特徴は、家庭の中でボスになりたがること。そんな悟郎を、平成4(1992)年生まれの鈴木伸之さんが好演しており、リアリティたっぷり。
では、実際の夫婦はどうなのでしょうか。以下、取材したエピソードを紹介します。