日本性科学会が「特殊な事情が認められないにも拘わらずカップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期に亘ることが予想される場合」をセックスレスと定義してから約30年が経った。
現在では「セックスレス」という言葉も一般化し、もはや珍しいことでもなくなったように見える。
その状況を裏付けるデータとして、一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センター実施した、性の大規模調査『ジャパンセックスサーベイ2020』によれば、1年間まったく性交渉をしていない男女の割合は男性では41.1%、女性は 49.5%という結果を報告している。
そんな社会状況を背景に、じつは「セックスレス」で悩む男女も増えているという。日本初の恋愛カウンセラーとして日々人の悩みに向き合ってきた、安藤房子氏のもとにも、相談をもちかける男女も多く、今回の相談者である会社員の健太さん（仮名・38歳）もそのひとりだ。妻の出産に立ち会ったのを機にセックスレスに陥ってしまったという。
出産を機にはじまったセックスレス
2年前に妻から「ねえ、立ち会ってほしいの」と言われて、軽い気持ちで出産に立ち会いました。だけど、あのとき、痛みに耐える壮絶な叫び声を長時間聞いたせいでしょうか。もう妻に性欲がわかなくなったんです。
実は、立ち合いの途中でそこから逃げ出したかったくらいです。でも妻は僕の手をギューと握る。当然、我が子が生まれてくるわけだし、頑張っている妻を応援したいって思う。そんな中、お医者さんがハサミで切るでしょ。下半身のほうにはいなかったからリアルには見ていないけど、その場にいるのも嫌だった。さすがに恐ろしかったですよ。
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生まれたのちはかわいい、自分の子とは思ったが、出産時のことが心に残っていて、感動という感じではなかった。でももちろん大事に思っていますよ。
本音はもう二度と立ち会い出産はしたくないです。といっても、もう最近は妻とセックスできなくなってしまったので、このままだと次の妊娠はないですけれどね。