ヨーロッパではありえない安さの「スシロー」から見える「日本人の給料が上がらない」ワケ
ポテトチップスに見る日本の強さと弱さ
家人は経営学者なので日本のありとあらゆることを経営学者的な視点で分析をしています。今回、日本に滞在して家人が最も学術的に興味を持ったのが、コンビニ、ドン・キホーテ、スシローです。
私の行動範囲は“神奈川県ヤンキー標準”であり、どうしてもこういった標準に合う店に行くことが多くなってしまいます。とはいえ東京のおしゃれショップに比べるとけっこうおもしろいことが多いので、家人ともども観察対象としては素晴らしいことです。
そして、なにより家人はドケチなイギリス人なので、お財布に優しいというのもたいへんポイントが高いのでしょう。
家人は日本に来るたびにコンビニへ入り浸っているのですが、今回はここ最近コロナ禍が続いていて久々に日本へ来たということもあります。そこで度肝を抜かれたのが、コンビニでポテトチップス(ポテチ)の品揃えが豊富になって、アイテム数がかつてよりも増えていたということです。

ポテチの限定品や特殊なフレーバーが棚にぎっしりと並んでいます。ところが以前に食べていた塩味の普通のものがないのです。
店舗を回ればあるところもあり、イギリスやヨーロッパの他の国であれば塩味やバーベキュー味など昔からの定番品がドカーンとおいてあるのが、日本のコンビニだとそんな古いものはつまらないという様子で片隅に追いやられています。
限定品とはいっても値段はかなり安く、家人はありとあらゆるフレーバーを試しはじめましたが、どれも食べはじめるとまるで手が止まらないというのです。イギリスやヨーロッパ大陸のポテチは食べ飽きており、まったく食指が動きません。
ところが日本では、ほぼ毎日数種類のポテチを食べて「こんなうまいのは食べたことがない!」と感動しているのです。