2023.01.23
# ビジネス

ヨーロッパではありえない安さの「スシロー」から見える「日本人の給料が上がらない」ワケ

谷本 真由美 プロフィール

日本の消費社会を反映するドン・キホーテ

このような状況下で限界に挑戦しているのがドン・キホーテ(ドンキ)です。

かつてドンキは一時期“ヤンキー御用達”みたいな感じの店でした。ところが現在はファミリー向けに業態を変えつつあり、郊外のスーパーなどを居抜きで譲り受けて食品などの販売にも力を入れています。

Photo by iStock
 

大量仕入れを基本とし、他社の過剰在庫を買い取り、現場に権限を移譲して柔軟性をもたせ、地域性を反映した品揃えを展開して売り上げも好調です。家人はこのビジネスモデルのうまさにたいへん感心していました。ここまで地域性を徹底させている小売店はイギリスにはなかなかないからです。

また過剰在庫といっても日本の商品は新しいものが多く、消費期限がかなり先であっても一般的なスーパーは売り場から撤去してしまいます。ドンキはそれを廉価で大量に買い取り、安値で大量販売しているのです。

とはいえ、そういう商品ばかりではなく市場をよく研究し商品開発されているため、ユニークでおもしろく質の高いものも多いのです。これも日本の消費社会における豊かさの反映であり、現在の日本を象徴しているといえましょう。

SPONSORED