「シン富裕層」と呼ばれる人たちは、ふだん何を考えているのか。
前編記事『銀行や証券会社を嫌い、ロレックスやベンツとも無縁…「日本のシン富裕層」が一代にして巨万の富を築いた理由』に続き、投資ビザ申請や海外生活設計のアドバイザー業務に携わる「株式会社アエルワールド」代表の大森健史氏が、知られざる彼らの「本音」に迫る。
「間違ってないかな、俺」
チャンスを掴んだ「シン富裕層」の方たちは、自分からどのようにして資産を築いたか、あまり言いません。なぜなら、みんなそれぞれ「俺って正しいのかな」と疑心暗鬼に陥っているからです。
「これって本当に、いいの?」「間違ってないかな、俺」と。

先日も仮想通貨で運用している40代の男性が相談にいらっしゃいました。いま仮想通貨は下落していますが、仮想通貨が下がっても「レンディング」といって、配当みたいなものが1日10万円程度入ってくるそうです。
「いまは10億円以上の仮想通貨資産を持っていて、何もしなくても年収2000万円くらいあります」
そうおっしゃるので、「素晴らしいですね。それでは生活も安心だから海外に行かれるんですか?」と尋ねると、こう言ったのです
「本当に行っていいのでしょうか? いまやっていることが正しいのか、本当に現実なのか、わからないのです」
そこで私はこう伝えました。
「そこまで資産を築いたノウハウは、正直、私にはわかりません。でも、あなたはそのしくみがわかっていて、リスクも管理しているわけです。それって、株式やFXをやっているのと何が違うんですか?」