マイナンバーの「銀行口座強制紐付け」には、国民の国への“絶対的信頼”が必要

最先端の利便性獲得のための最大のハードル

マイナンバーと銀行口座との紐付けなど、マイナンバーの利用範囲拡大は、一定の条件の下で、望ましいことだ。この究極の形は、すべての口座との強制的紐付けだが、そのためには、国が国民の絶対的な信頼を獲得する必要がある。

公金受取り口座への政府の取組み

報道によれば、政府は、自治体などが保有する住民の預貯金口座番号を、マイナンバーにひもづく公金受取口座として登録する仕組みを導入する方向で調整している。

最初に、これは、マイナンバー「カード」の問題とは別であることに注意しよう。この2つは、しばしば、混同される。

by Gettyimages

2022年12月4日の本欄「利用者の不都合これだけ増大~健康保険証を廃止して、いいことがあるのか?」で反対意見を述べた健康保険証の切り替え問題は、マイナンバー「カード」の問題だ。

これに対して、マイナンバーというのは、国民背番号のことである。すべての国民に自動的に割り振られている。

冒頭で述べたのは、マイナンバーをどのような用途に用いるかという問題だ。公的年金の振り込みや、マイナンバーとすでに紐付けて地方団体に届けてある口座のデータを、政府が利用しようというものだ。

それによって、今後政府からの給付金などが支給される場合に、事務手続きが効率化できる。公的機関にすでに届けてある情報を政府が使うということだから、とくに問題はないと思う。

 

ただし、今後も定額給付金の支給が行なわれるのかどうかは疑問であり、これによって政府の事務手続き一般を効率化できるのかどうかは、大いに疑問だ。

銀行口座とマイナンバーの関連で真に問題となるのは、すべての銀行口座について、マイナンバーの紐付けを強制するかどうかである。この問題については、後で述べることとする。

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