2023.01.19
中国がついに人口減少へ…そのウラで「男が余りまくる」という“大問題”が起きていることをご存知ですか?
ついに中国の人口が減少に転じた。
世界中の国々がこの「巨像」の動向を注視している。
13億という巨大な人口を抱えるこの国で、今後、どのように人口が減っていくのか。そして、それは中国社会にいったいどのような影響を与えるのか。
2018年の段階で中国の人口問題に光を当てていた『未来の中国年表』より一部を抜粋、編集し、この深刻な問題の本質に迫る。
以下で焦点を当てるのは、中国で「女性に比べて男性の数がきわめて多い」=「男性が余っている」という事態だ。
同書の著者であり、中国ウォッチャーとして知られ、著書やテレビ出演も多い近藤大介氏は、中国の人口問題をどう見るか。
「一人っ子政策」の副作用
1949年の建国以降、中国はこれまで計6回、全国的な人口調査を行っている。
過去6度の出生者の男女比(女子を100とした場合の男子の出生数)は、下の棒グラフの通りだ。

世界の出生数を見ると、男子が女子より多いのは各国に共通な現象で、国連では「102から107の間」を正常な国家と定義づけている。
例えば2016年の日本の出生数は、男子50万1880人、女子47万5098人で、男女比は105・6だ。
だが中国の場合、120を超えた年が近年で3年もあり(04年、07年、08年)、明らかに「異常国家」である。
これは中国が長年にわたっておこなってきた「一人っ子政策」、つまり、夫婦が生んで育てる子どもを一人に制限する政策がおこなわれてきたために生じた、いわば「副作用」である。
この政策によって、「どうせ一人しか生めないのなら、男の子を生もう」という夫婦が激増した。特に、働き手や跡取りを求める農村部において、この傾向は顕著になっていった。