防衛省も危ぶむ次期自衛隊トップ候補・吉田氏の「新設の統合司令部は朝霞で譲れない」態度がヤバすぎる

文民統制制度は大丈夫か

防衛費の増額により上げ潮ムードの防衛省で、自衛隊のトップ人事が波乱含みだ。山崎幸二統合幕僚長(防大27期)は4月で就任4年となり、勇退が確定的。後任に有力視されるのは吉田圭秀氏(東大卒、防大30期相当)だが、毀誉褒貶が激しい。

吉田氏は東大卒で初の幕僚長に就いて耳目を集めたものの、「越権行為」で指弾された過去がある。'04年12月に「陸自幹部が改憲案作成 自民大綱素案に反映」と報じられたが、この改憲案を起草した人物こそ、当時二等陸佐だった吉田氏なのだ。

国防軍の設置と指揮監督、集団的自衛権行使、国家緊急事態……そこには「軍隊の論理」がこれでもかと盛り込まれていた。中谷元・元防衛庁長官の依頼を受けたとされるが、憲法99条の「憲法尊重擁護義務」に違反すると非難はやまなかった。

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そんな吉田氏が目論むのが、新設される常設統合司令部を陸自の拠点である朝霞駐屯地(東京都練馬区)に持って行くことだ。政治サイドは東京・市ケ谷の防衛省敷地内を想定し、首相官邸筋も「政治と司令部の距離を近くしなければ、緊密な連携は図れない」と語るが、吉田氏を筆頭に陸上幕僚監部は朝霞で譲らない。その背景をOBは「要するに、陸自の組織防衛だ。'18年に鳴り物入りで朝霞に置いた陸上総隊が機能不全で、それを常設司令部を置くことで糊塗するつもりなのだろう」と切り捨てる。

防衛省内でも「危うい」と評される吉田氏が統幕長に就くことになれば、岸田政権の文民統制が問われるのは必定だ。

「週刊現代」2023年1月28日号より

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