2023.01.19

いくら防衛費が増えても、誰も装備を使いこなせない…「戦わない軍隊」自衛隊の現実について考える

実行力のある戦いは?

バイデン米大統領は日米首脳会談で日本の防衛力強化を称賛し、岸田文雄首相を「素晴らしいリーダー、真の友人」と呼んだ。内閣支持率が30%台に低迷するなど暗い話題が多かった岸田首相だが、「日米同盟新時代」を開けて満足だったろう。

少なくとも防衛政策は、国民から支持されているのは事実だ。政府は昨年12月16日、国家安全保障戦略など「安保3文書」を閣議決定した。来年度から5年間の防衛力整備経費を約43兆円と定め、敵基地をたたく「反撃能力」を保有することになったが、この防衛力強化の方針は、「支持する」が55%で「支持しない」の36%を上回った(昨年末の日経新聞とテレビ東京調査)。

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ロシアのウクライナ侵攻は覇権主義国家による理不尽な侵攻が、今も起きうることを認識させた。北朝鮮によるミサイル発射は、いつ日本に着弾してもおかしくない恐怖を与え続けている。中国が台湾に侵攻する「台湾有事」はタイムスケジュールに入っており、台湾と指呼の間にある日本に緊張が走るのは避けられない。

日本はロシア、北朝鮮、中国の隣国である。岸田首相が公約した「防衛費をGDP(国内総生産)比2%にする」という負担は重いが、軍備増強で生じるリスクを含め、国民には引き受ける覚悟に加え、それが本当に防衛力の強化として国益に適うかどうか、あるいは国民を守ってくれるどうかを見守ることが必要だ。

 

筆者は、本サイトで北朝鮮のミサイル飛来に合わせ、「望ましいミサイル防衛の在り方」について、識者の意見を紹介してきた。

政府が掲げる「防衛力強化策」は、そうした各種提言を生かすものになっているが、一方で、「予算」と「装備」を強化しても、それを使いこなして戦う能力と、実行力のある戦いを可能にする体制が整っていないという現実がある。そこに踏み込みたい。

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