医師の記録に残る「吐き気・血痰・けいれん」
'22年9月からは変異型のオミクロン株に対応する改良ワクチンの接種が始まったが、それについても、すでに19人の死者が報告された。厚生労働省の報告書には、彼らが亡くなったときの様子が医師の記録にもとづき克明に記されている。
11月5日、4回目接種の42歳女性。
〈14時18分頃ワクチン接種。(中略)14時25分頃、咳が出始めたため看護師が声をかけ前方に歩いてくるも、途中で座り込んでしまう。(中略)14時30分頃、バイタルチェック中に嘔気(注・吐き気)出現・泡沫状のピンク色の血痰を排出。次いで鼻腔からも血痰が溢れ、14時34分頃意識レベルが低下したため臥位にすると呼吸停止〉

11月13日、5回目接種の72歳男性。
〈14時52分 本人が手を上げ「少し冷や汗をかいて変な感じがする」と訴えがあった。(中略)14時55分医師コール。(中略)救急隊要請。深昏睡、つっぱっているようなけいれん(中略)15時17分頃病院着。心肺停止状態〉
多くは接種の翌日や数日後に亡くなっているが、中には接種からわずか数分のうちに意識を失い、30分から1時間で命を落とした例もある。直接の死因については「心不全」や「脳出血」が目立つが、「不明」とされているものが少なくない。
この1月までに、国に死亡一時金と葬祭料(1人あたり合計4441万2000円)を請求していた遺族のうち、20件について救済措置が認められた。
しかし、ワクチンの安全性を審査する厚生労働省の「副反応検討部会」では、いまだに「ワクチンと死亡との因果関係が否定できない」事例は1件たりとも存在しない―とされている。いわば「ダブルスタンダード」がまかり通っているのである。
後編『持病もない人が次々と…コロナワクチン接種後【容態急変、吐き気、頭痛、けいれん、脳出血】の不審死』で、引き続き副反応の疑いの死や遺族証言、遺族を取り巻く現状について報じる。
「週刊現代」2023年1月28日号より