中国が61年ぶりに人口減少となった。
驚きのニュースだと思われる人も多いはずだが、じつは研究者の中には「2018年に減少に転じた可能性がある」と指摘した人もいた。
ベストセラー『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』では、中国の人口減少や高齢化、激変する東アジア市場についても分析している。
中国で、いったい何が起きているのか、これからどうなるのだろうか。
中国マーケットは魅力的か
2020年の国勢調査は、日本の総人口を1億2614万6099人だとした。国勢調査における人口減少は2回連続である。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2040年までの20年間だけで1500万人以上も減る。その一方で出生数の減少スピードはコロナ禍の影響もあって加速しており、人口減少が下げ止まる気配は全くない。
このままではズルズルと国内マーケットは縮小していく。だからと言って、外国人をあてにするのも難しい。国勢調査によれば外国人人口は前回調査より43.6%増加し過去最高となったが、この5年間の増加数はわずか83万4607人にとどまる。とても日本人の減少幅を穴埋めできる数ではない。外国人観光客も、感染症の波が繰り返し起きている現状を考えると過度の期待は禁物だ。
まさに八方塞がりである。もはや多くの企業は国内マーケットの縮小を前提として経営戦略を立てざるを得ない。
高付加価値化による収益構造の転換が急がれるが、海外マーケットに活路を見出せる企業は軸足を移すのも選択肢となろう。
だが、「海外マーケット」と言っても広い。進出する国を間違えたならば、大きな痛手を受けるだけで終わる。
海外マーケットの取り込みには時間がかかるためだ。現状では魅力的に映っても、数十年後には先細りしていく国もある。こうした国は避けたほうが賢明である。
その代表格が中国だ。経済にかつての力強さが見られなくなったからでも、米中対立の狭間で苦しむことを危惧しているわけでもない。もっと構造的な問題が横たわっているからである。