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「美容は自分自身のためのもの」ビューティ業界で進む「ボーダレス化」とは
2023.01.22

ボーダレスな世界を考えるカルチャー4選

「美容は自分自身のためのもの」ビューティ業界で進む「ボーダレス化」とは

ジェンダーレスやエイジレスといった価値観が、美容の世界にも広がってきています。メイクやスキンケアはあらゆる性別の人が楽しめるものだし、シワやシミがあっても美しい肌はあります。境界線をなくした先にある、自己表現としての美容について、ライターの長田杏奈さんに聞きました。

男性が化粧をすることは
今に始まったことではない

不必要な境界線を取り払う動きは、さまざまな分野で進んでいる。職業における性差別をなくすといった基本的な動きから、ユニセックスのファッションブランドが増えてきたというような、カルチャーを通したメッセージまで。「ボーダレス」であることは、これからの社会において、ひとつの価値になりつつある。

美容の世界では、男性向けのスキンケアやメイクアイテムが、ここ数年で一気に充実した。また、歳を重ねることを肯定的に捉える向きも強まり、「アンチエイジング」という言葉も心なしか耳にする機会が減ったように思う。

こうした動きの根底にあるのは、美容を“自分自身のためのもの”と捉える意識の変化だろう。「誰でもない自分のためのメイクやスキンケア」を発信する美容ライターの長田杏奈さんに、今感じていることを話してもらった。

まずはジェンダーレスについて。メンズのコスメブランドが人気を博す現在の状況はいつ頃から始まったのか? 明らかな変化を感じたのは2018年頃だったと長田さんは振り返る。

「〈ボーイ ドゥ シャネル〉やジバンシイの〈ミスター〉など、世界的なファッションブランドから、メンズのメイクアップラインが出始めたのがこの頃だったと記憶しています。それ以前にも、日本の〈スリー〉から男性向けの〈ファイブイズム バイ スリー〉が登場したり、韓国カルチャーの影響を受けて一部の若い世代にメンズメイクが流行っていましたが、グローバルブランドの参加によって流れが決定的になったという印象です」

Photo by iStock

それから約5年。メンズコスメやジェンダーフリーコスメの市場はさらに拡大。化粧をした男性を街で見かけることも格段に増えた。

「でも、男性が化粧をする文化は、何も今に始まったことではないんですよ」と長田さん。

「例えば平安時代に活躍した花園左大臣は、眉を抜き、白粉を塗り、お歯黒に紅化粧でキメていたそうです。貴族の間でこれが流行って、正装として定着したとか。現代に目を向けても、沢田研二や忌野清志郎、坂本龍一は自己表現として化粧をしていたし、それがクールなものとして受け入れられていましたよね」

確かに今は、アーティストに限られていた感覚が、一般に広がっただけなのかもしれない。

「なので、凝り固まった男らしさに縛られて“男が化粧なんかして”と否定するのは違うと思います。けれど反対に、“できる男の身だしなみ”としてスキンケアやメイクを推奨するのも、マナーの押し付けのようで違和感がある。そうした押し付けは女性たちが長年受けてきたものですから。高校生まではメイクを厳しく禁止されているのに、大学生になると就職活動の一環としてナチュラルメイクを習わされる。メイクにまつわる、“するな”と“しろ”のダブルバインドがいかにストレスかを知っているので、そうした想像力を忘れないようにしながら、メンズコスメの盛り上がりを一緒になって楽しめたらと思っています」

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