58歳母をバラバラ死体にした「医学部9浪」の娘が明かす…センター試験で挫折した娘に母が放った「想像を絶する言葉」

2018年3月、滋賀・守山市野洲川の河川敷で、両手、両足、頭部を切断された体幹部だけの遺体が発見された。遺体は激しく腐敗しており、人間のものか動物ものかさえ判別が難しかったが、その後の捜査で、近所に住む58歳の女性のものと判明する。

女性は20年以上前に夫と別居し、31歳の娘と二人暮らしで、進学校出身の娘は医学部合格を目指して9年間もの浪人生活を経験していた。

警察は6月、死体遺棄容疑で娘を逮捕する。いったい二人の間に何があったのか――。

獄中の娘と交わした膨大な量の往復書簡をもとにつづる、驚異のノンフィクション。本記事では母を殺害した娘・髙崎あかり（仮名）が強いられた、想像を絶する「受験生活」の記録を取り上げる。

母からの過干渉に耐えながらセンター試験を迎えたあかりだったが、結果は厳しいものだった。これで母は諦めてくれるのではないか――淡く暗い期待を抱くも、母からの要望は想像を絶するものだった。

「仮面浪人をしなさい」

別の大学に通いながら、志望校の再受験を目指す――母はいったい、どこでこの言葉を知ったのだろうか。期待は一瞬で立ち消えた。

「中学校からわざわざ私学に入れて、高校までの6年間も高い学費をお祖母ちゃんに出してもらったのに医学科にもどこにも入れませんでしたなんてそんなこと、許されない」

でも私、馬鹿だよ？　全部落ちたんだよ？

「京大の看護学科に入りなさい」

え、京大って、あの？　嘘、無理だって。

「看護なんてありえないけど、あんたがいつまでたってもこの期に及んでも馬鹿なんだから……仕方ないでしょ。京大なら一応、お祖母ちゃんやご近所さんにも格好がつくし……。本当は現役で医学科に合格させたかったけど、あんたが馬鹿だから、1年待つしか仕方ないじゃない。京大に行って、来年医学科に入りなさい。必ずよ、いいね」

まだ受験？　あと1年？　大学行きながら？　そんなの無理だよ無理に決まってるじゃん、無理無理無理、だって京大だよ、京大。

「お母さんがどんだけ腸が煮えくり返りながら馬鹿なあんたのために妥協してやってるか分かってる？　ねえ？」

「……はい」