2023.01.24

分譲マンション「管理組合」の理事長、実は知られざる「凄まじい役得」があった…!

情報を制する者はマンションを制す
大原 みはる プロフィール

理事長を経験したからこそ

自分の住んでいるマンションには、新築分譲時から住み続けている区分所有者が多いのか、それとも新陳代謝(中古売買による区分所有者の入れ替わり)が盛んなのか、はたまた賃貸に出されている部屋はどれくらいあるのかといった情報は、住民コミュニティの形成に大きな影響を与えるし、資産価値(売却額の最大化)を考える上でも、とても重要なものである。

一区分所有者として普通に暮らしているだけなら、そういったことを簡単に知る機会はないのだが、筆者は理事長をやっていたときに偶然、将来的な理事会の担い手問題に直面し、同期の理事会メンバーや管理会社と協力して、区分所有者の状況を調査したことがある。

その結果、筆者が住んでいたマンションは、分譲賃貸に回っている部屋が少なく、多くの区分所有者は新築時から変わらず入居している新陳代謝が少ないマンションだということが判明した。こういうマンションだと、新築後の経年に合わせて区分所有者の高齢化が一斉に進む。

Photo by iStock
 

結果として、ある時期を超えると、理事を引き受けられない区分所有者が増え、相対的に若い人がずっと理事を引き受けなければならなくなる日が来ることになる。また、高齢世帯が年金生活に入り所得が激減する中で、今後値上げされる管理費・修繕積立金を払えないと言い出す住戸が次々と出てこないとも限らない。

筆者は、当時住んでいたマンションを永住前提で購入していたが、理事長の任期中に、期せずしてそうした情報に触れることになった結果、管理費・修繕積立金の上昇とあわせて悲観的な未来しか描けなくなってしまったため、愛着のある物件ではあったが、思い悩んだ上で売却を決断し、今では賃貸物件に移り住んでいる。

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