退職勧奨で企業側が守るべき8つのこと
・退職勧奨するときのポイント
退職勧奨を実施する際のおもなポイントは、次のようになる。

(1) 労働者が退職勧奨に応じない意思を表明した場合は、同じような退職勧奨は控えたほうがよい。
(2) 長時間、あるいは必要以上に繰り返して退職勧奨を行わない。1回の面談時間は30分から長くても1時間以内で終わるようにする。
(3) 面談場所は労働者のプライバシーが確保できるよう個室で行う。
(4) 企業側の人数は2人(話者と記録者)程度が望ましい。不必要に多いと「大勢で脅された」などと思われることがある。
(5) 暴力や嫌がらせ、人格を否定するようなハラスメント的発言、大声を上げる、怒鳴るなどの感情的な発言は避けること。
最近では、退職勧奨の話し合いを録音している労働者がいることに留意し、冷静に対応することが大切である。
対処が難しい場合には、前もって準備した書面を渡してその内容を説明する方法もある。書面であれば文章を前もって吟味することが可能であり、言い間違い等を防ぐことができる。
(6) いきなり退職勧奨するのではなく、前段として事前説明・注意・指導などを徹底的に行った上で事態が改善されない場合(解雇扱いでも可能なレベル)に退職勧奨をすすめること。
(7) 配置転換等の扱いが可能な場合は、選択肢の一つとして労働者に提案すること。
(8) 労働者が退職勧奨に応じた場合、退職届、合意書などを提出させること。
合意書は、話し合いで合意した事項、退職勧奨の当事者が会社の機密やノウハウを扱う業務に従事していた場合などは守秘義務や競業避止義務、未払い賃金などの債権及び債務に関する事項など、盛り込む内容を事前に確認しておくこと。