2023.01.25

66歳の映画監督が、病床の母に「墓はどこに入りたいの?」と尋ねた「切実な理由」…『お終活』の香月秀之監督が明かす

橋爪功と高畑淳子が熟年夫婦役を務め、「人生の終い方」考えさせられる映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』。映画公開は’21年5月だったが、実は現在も各地の公民館などで上映が続けられていることをご存知だろうか。なぜこの映画が“静かなロングヒット”となったのか。監督の香月秀之さんにお話を伺った。

60代以降をどうやって生きればいいのか

この映画が公開されたのは、ちょうどコロナで混乱しているときでした。でも、やっぱりみなさん終活っていうものをすごく意識しているんでしょうね。そんな中でも予想以上の大きな反響がありました。

いまも非劇場、つまり地方の公民館などで上映されていたりするんですよ。現在も150ほどの上映オファーをいただいております。いまだに映画の感想も送っていただいたりするんですよね。その感想のほとんどは「最初はタイトルだけ見て暗い映画かと思っていましたが、全然そんなことなかった。終活にも前向きになれました」っていう感じです。

「終活」に前向きな千賀子(高畑淳子)、映画『お終活』より
 

僕自身も、もう65歳です。周りの友人連中と同窓会をやると、すでに現役を引退している奴だって多いわけです。そうすると、「人生100年時代とか言われているけど、どうやって生きていきゃいいんだよ」みたいな話にもなる。それがそもそものこの映画のスタートでしたね。

要するに、みんな目標がないわけですよ。若い頃は「子供を育てる」「家を建てる」「出世する」といった目標があったじゃないですか。でも、たいていの人はすでに経験してしまって、60歳を過ぎると迷い始める。途方に暮れる。やれ「エンディングノートを書け」とか言われるけど、多くの人はそんなすぐに死なないだろうとも思うわけですよ(笑)。石橋蓮司さんのセリフでもありましたよね。「100まで生きるっていうじゃねえかよ」って。

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