「浮気調査をしたら犯罪に近いことをしていたケースは多々あります」と語るのは、浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の山村佳子さん。

コロナ禍以降、巨額の横領事件の報道が目立つ。先日2023年1月18日、バンダイナムコホールディングスが、約6億円着服していた社員を相手取り、東京地裁に民事訴訟を起こす。この社員は社用スマホ4000台、つまり会社の備品を無断売却し、利益を着服したのだ。

令和4年版 犯罪白書』(2022年・法務省)の「財産犯 被害額」を見ても、2016年以降は、約60~80億円で推移しているが、コロナ禍の2020年には約113億円に増加。2021年には75億円だった。
推測だが、コロナで経済活動が止まり、各法人がそれまで放置していた不正を精査したのではないか。

山村佳子さんのもとに相談に来たのは専業主婦の麻子さん(41歳)。結婚2年の夫(34歳)との間に、1歳半の娘と、生後半年の息子がいる。麻子さんは母に伴われていた。

前編「「両親が事故死し、高卒で働く苦労人」毎月生活費30万くれる夫が隠していたこと」では、韓流スターに似たイケメンの夫とマッチングアプリで結婚するまでの経緯を紹介。麻子さんは両親や兄3人から反対されながらも、強引に妊娠をし、入籍したこと。それから2年、引っ越し作業のときに、夫の荷物から犯罪や離婚歴を匂わせる書類を発見。コロナ禍で両家顔合わせや披露宴もしておらず、夫の家族背景も不明だ。そこで山村さんに夫の調査を依頼する。

 

夫の「勤務先」が違う?

夫の生活を聞くと、麻子さんは全く把握していませんでした。健康保険証から夫の勤務先を見ると、都心の雑居ビルにある、社員30人規模の不動産関連会社でした。
麻子さんには「IT関連会社で働いている」と言っていたので、まず、ウソをついている。夫は「幼い頃に両親を亡くし、親戚を転々として育った」と麻子さんに言っていたそうですが、これもウソである可能性が高い。同情を引くためなら、なんでもするというタイプの人が、この世にはいます。

麻子さんとお話をしていると、「物事を自分の都合のいいようにとらえる」と感じました。こういう方は、私達が調査に入っていることを、対象者(この場合は夫)に話してしまう可能性もあります。母に相談すると「1週間、麻子と孫2人は実家で生活させます」と言っていました。

自分のいいように解釈する。それは現実から目を背けていることにもなりうる Photo by iStock

会社の前で朝から張っていると、11時に夫らしき人がビル内に入っていきます。スーツを着て、すらりとしておりとてもカッコいい。22時に出て来てスタンドバーへ。ここは外国人が集まるお店で、知り合いらしき男性と話していました。