2023.01.23

増税でも財源確保にまだ足りない?財務省は不合理な債務償還ルールを撤廃するのが先だ

自民党の特命委員会

防衛費増額の財源を議論する自民党の特命委員会の会合が開かれたが、財源について見直される可能性は本当にあるのだろうか。

自民党は、1月19日に「防衛関係費の財源検討に関する特命委員会」(委員長・萩生田光一政調会長、顧問・世耕弘成参院幹事長)を新たに設置し初会合を開いた。

防衛費増額の財源を巡っては、政府与党はは昨年末に、法人税等の増税による税収で4分の1を賄い、4分の3は歳出改革等で確保する方針を決めた。

萩生田政調会長は冒頭、同委員会を設置した経緯について「税以外の財源の具体的な在り方について丁寧に議論し、国民の皆さまにも納得していただける説明ができるよう、責任ある議論を行っていきたい」と強調した。

 

これまでの政府与党内の議論では、2023~2027年度の5年間における防衛力整備計画において、43.0兆円程度の水準を達成するとしている。その中で、財務省が提示している財源確保は40.5兆程度だ。

その内訳は、2022年度当初予算5.2兆円をそのまま5年間継続したとして25.9兆円。そのほか、歳出改革で3兆円強、決算剰余金の活用で0.7兆円程度、防衛力強化資金で4.6~5兆円強、税制措置(防衛増税)で3.1~3.5兆円程度で、計14.6兆円程度。

これを合算すれば、防衛力整備水準43.0兆円程度のうち防衛増税を含む財務省提示の予算総額は40.5兆円であり、要するに2.5兆円はまだ足りていないのだ。これについては様々な工夫を行うとされている。今のところ、防衛増税は、とりあえず5年間で3.1~3.5兆円程度である。しかし、もし「様々な工夫」がなければ、これが5.6~6.0兆円程度になるかもしれない。また、歳出改革や決算剰余金の活用はかなり財務省の意のままにできる数字でもあるので、防衛増税分はさらに膨らみ、9.3~9.7兆円程度になる可能性も否定できない。

こうしてみると、財務省は、「様々な工夫」と「歳出改革等」という二つのハードルをつくって、増税路線に向かっているのがわかる。

関連記事