ドバイの外資系航空会社でCAとして働き、さまざま職を経て、35歳でお笑い芸人の道へ進んだCRAZY COCO。変顔と関西弁を駆使するCAに扮したSNSのショート動画でバズりを連発し、『上田と女が吠える夜』や『アメトーーク!』などの人気番組に出演して注目度が急上昇。インスタグラムのフォロワーは22.5万人、普段はテレビを見ない層からも支持されている。どうやって映画やドラマのような快進撃を起こしたのか? 異色のエンターテイナーの素顔に迫る。
「THE W」出演の後にスカウトされ芸人の道へ
2021年の「女芸人No.1決定戦 THE W」でアマチュアながら準決勝に進出し、2022年3月から吉本興業に所属しているCRAZY COCO。わずか1年でブレイクの兆しを見せたデビューイヤーを「90点でした」と自己採点する。
「1年目の目標として『YouTubeのチャンネル登録者数10万人』と『インスタのフォロワー数20万人』を掲げていたんですよ。それを両方達成することができたので、我ながら頑張ったなと。2022年1月の時点でインスタは4000人ぐらいだったのが、下半期に急上昇しまして。やっぱり『アメトーーク!』に出させてもらった影響が大きかったと思います」

吉本興業の若手お笑い芸人は、各地の劇場に拠点を置き、オーディション形式のライブなどで同世代と切磋琢磨しながら名前を売る。その王道ルートを選ばず、最初からSNSに専念したCRAZY COCOは異例の存在だ。
「大阪の実家で一緒に暮らしている母が抗がん剤治療を受けているのですが、なるべく近くで寄り添いたい気持ちがあり、自分のペースで活動できるSNSに力を入れたかったんです。そしたら私をスカウトしてくれたマネージャーさんが、『劇場に所属しなくてもSNSの登録者が20万人を達成したら箔がつく(誰も文句を言わない)』とおっしゃって。『それならやったるわ』と(笑)」
彼女の十八番ネタである「コテコテの大阪弁で話すCA」は、お笑いマニアじゃなくても笑える分かりやすさと、数秒でも記憶に残る破壊力があった。だからSNSと相性が良く、TikTokやインスタのリール(ショート動画)でバズりを連発。そこで注目を集めたことがテレビ出演につながり、芸歴約5か月で出演した「アメトーーク!」では過去の男性遍歴を赤裸々に語り爪痕を残す。1年目ながら超スピードで名前を売ることに成功したが、反省点も見つかった。
「いろんな番組に出演させてもらいましたが、その中で、2回目のオファーをいただけたのは半分くらい。まだまだトークに関して勉強不足だった部分だった部分があるのかなと。先日も某番組のオーディションに参加したのですが、持ち込んだネタが全て『コンプラ的にアウトです』と言われてしまって。よく下ネタのさじ加減を間違えちゃうんですよ(笑)。自ら“クレイジー”と名乗っているのでギリギリを攻めていきたいのですが、出禁をくらったら元も子もないので、ちょうどいいバランスを見つけていきたいと思っています」