2023.01.24

黒田日銀総裁は4月で交代…「新・日銀総裁」が着手する、10年間続けた「アベノミクス」路線からの見直し

新総裁が政策変更に着手するのは時間の問題

市場の観測を無視する形で、日銀の黒田東彦総裁は1月17日、18日の開催の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の縮小を見送った。

その姿勢は頑なで、先月打ち出した長期金利の許容上限を「ゼロ・プラス・マイナス0.5%程度」のまま維持するイールドカーブ・コントロール(YCC)の変更をしなかったばかりか、本来、金融機関に対して国債を担保に低金利資金を貸し付ける制度である「共通担保資金供給オペ」を拡充することによって、日銀に代わる買い手として金融機関に国債の購入を促す奇策も打ち出してみせた。

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そのうえで、黒田総裁は18日の金融政策決定会合後に記者会見し、「長期金利の変動幅をさらに拡大する必要があるとは考えていない」と述べ、大規模緩和を今後も継続すると主張した。振り返れば、黒田総裁が拘る大規模な金融緩和は、10年前、当時の安倍晋三総理のアベノミクスの「3本の矢」のひとつとしてスタートしたものだ。これまで、黒田氏はその存続に拘ってきたし、これからも不変だというのである。

しかし、着実に時代は移り変わろうとしている。黒田氏の否定発言にもかかわらず、すでに昨年12月に打ち出さざるを得なかった長期金利の許容上限の「ゼロ・プラス・マイナス0.5%程度」への拡充は、事実上の大規模な金融緩和策の修正が始まったものと受け止められている。

加えて、4月8日。いよいよ、黒田総裁は2期、10年に及んだ任期を迎える。新総裁の下で、日銀が大規模な金融緩和策の終焉に向けた政策変更に着手するのが時間の問題となっている。

開催直前から実施まで今回の金融政策決定会合を巡る動きで目立ったのは、投機筋を中心に長期金利の上限が緩和されるとの観測を強めた市場と、頑なに、それを拒んできた黒田総裁の姿勢だ。

 

というのは、債券市場では、長期金利は決定会合の直前の3日間連続して、日銀が許容している上限を超えていたからである。

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