しかし、横田さんは慎重で、いきなり突き進んで失敗することのないよう「5ヵ年計画」を立てはじめた。離婚を決意したとたん一気に相手のことが生理的に嫌になり、一緒にいるのも辛くなるものだが、そこは辛抱強く、顔に出さずに計画を進めたのである。誰もが真似できるものではないと私は感じている。
離婚後の資金も自分で確保
まず大事になるのは何と言っても資金であった。横田さんは、夫に隠せる範囲で日中のパートを増やして、へそくりを貯め始めた。また、夫は幸いにも家計簿を細かくチェックする人ではなかったので、200円の野菜を230円と記入するなど、地道に経費を水増しし、生活費を浮かせて自分の貯金に回すことにした。

同時に少ない時間をやりくりして介護職員の研修を受け、販売員のパートから介護の現場へと転職。その後、介護福祉士の資格も取得することができた。事情をわかってくれた親友が研修の時に子どもを預かってくれたのも幸いだった。