2023.01.24

中国で始まった人口減少…じつはそのウラで「中国の大学生の就職難」がいよいよ深刻なことになっていた

近藤 大介 プロフィール

エリートは国家公務員を目指す

中国には日本のように、経団連が決めた「就職活動の日程表」はない。「国考(グオ カオ)」と呼ばれる国家公務員試験の日程を中心に、就職活動が展開される。

「2018年国考」は、申し込みが2017年10月30日から11月8日までで、筆記試験が12月10日。その結果が出たのが2018年1月24日で、筆記試験合格者の面接は、3月上旬に行われた。 「国考」を受験する学生は、まずはこれに集中し、落とされた時点で、国有企業、民営企業、外資系企業などへの就職活動を始める。「国考」を受験しない学生は、おおむね4年次の秋と春に、希望する会社の面接試験を受ける。

大学生の就職に関して、もう一つ日本と大きく異なるのは、国家公務員を除けば、大学卒業後、就職した会社に長く勤める人は極めて稀だということだ。よく言えば流動性が高くて活気がある、悪く言えば不安定なのが、中国の会社社会の特徴である。

私は北京で駐在員をしていた3年間で、延べ約4000人の中国人と名刺交換したが、帰国時にそれらの名刺を整理していて、ふと発見した。それは、名刺交換した人が私の帰国時に同じ会社に在籍している確率は、わずか1割から2割にすぎなかったということだ。

そもそもなぜこれほど多くの名刺を交換したかと言えば、同じ人が転職し、2枚、3枚と増えていくケースが多いのである。ちなみに、この1割から2割という率は、同時期に私が名刺交換した日本人が転職している割合と同じだった。中国人の転職率は、日本人の非転職率にほぼ等しいというのは興味深い。

当時は、学生たちに圧倒的人気だったのが国家公務員で、続いて国有企業だった。国家公務員になれず、国有企業の就職にも失敗した学生が、日系企業を含めた外資系企業に流れてきた。外資系企業でも引っ掛からなければ、「仕方なく」中国の民営企業に就職するというのが、学生たちのパターンだった。