中国の経済成長が止まり人口減少が始まった…!「習近平新時代」を予感させるお寒い春節の風景

習近平主席のための春節

1月22日の日曜日、中国は一年で最も大切な「春節」を迎えた。21日から27日まで旧正月の7連休である。14億超の国民が、「つかの間の憩い」に癒される時で、一家でごちそうを食べたり、麻雀に興じたり……。

しかしながら、CCTV(中国中央広播電視総台)のニュースなどを見ていると、まるで習近平主席のための春節のようだ。

Gettyimages

春節の日の『新聞聯播』(夜7時のメインニュース)のトップは、「総書記の配慮」。すなわち、昨年8月に習近平総書記が視察した遼寧省瀋陽市牡丹社区の人々が、「習総書記の配慮によって」いかに幸福な春節を送っているかを伝えたのだった。

張雲秀という白髪の老婆が登場して、自宅で語る。

「(習近平)総書記は私たちの家に入ると、まず台所に行って、コンロの安全具合を見たの。そして私の息子や息子の嫁に、仕事や子供の勉強のことなどを尋ねたわ。習総書記は、ここの住民の人たちのことを、特別に全面的に仔細に関心を持って下さったの。

総書記は、私たち14億人のために、これほど気遣って力を尽くして下さるのだから、どれほどお疲れでしょう。総書記にお身体を大事になさってほしいと願います」 

王暉という女性(牡丹社区共産党書記)も語る。

「総書記は、うちへ上がると、まず『これがオンドルか?』と聞かれました。私は『暖房が見えませんか? 床暖房ですからね』と答えました。総書記は私たち庶民の生活に、これほど詳細に関心を持ってくれて、とても感動しました」

映像が、昨年8月に社区の住民たちを空き地に一堂に集めて、習近平総書記が説教している場面に変わる。

「小康(そこそこ豊かになる)の夢、強国の夢、中国の夢。その行き着くところは、庶民の幸福の夢なのだ!」

 

さらに、社区の老人食堂に映像が切り替わる。そこで食事している王永林という男性の老人も語る。

「総書記はこの食堂まで足を運んで下さり、一つひとつのメニューについて、いくらかと質問された。オレは『80歳以上は定食が8元(約150円)です』と答えた。すると総書記は、『この豚肉の醤油炒めは素晴らしい。私も作れるが、これほどおいしくは作れない』と褒めて下さった。

総書記は老人に対して、特別な関心と愛情を持って下さっている。総書記の心の中には、庶民のことが備わっているのだ」

春節の夜に、こんな映像とニュースが続いていくのである。

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