小学6年生で信頼が60~70%に
したがって、小学6年生で、人にもよりますが親のなかで子どもへの信頼は60~70%に増えると考えます(グラフ「心配から信頼へ」12歳)。
この年齢は「前思春期」といわれ、自我が芽生える時期です。
自分はどんな人間なのか。家族や友人、先生たちがどんな人間なのかをシビアに見るようになります。そこで時に誰かと衝突したり、親に反抗したりします。

たとえば、親に口答えしたり、荒い言葉をぶつけてくるようになります。
男の子であれば、きょうだいや母親を蹴ったり、イライラするとテーブルを叩くなどモノに当たることもあります。なぜならば、この時期は性ホルモンがたくさん分泌され、扁桃体や海馬など、脳のさまざまな部位に影響を及ぼします。扁桃体は海馬のすぐ上にあり、感情をつかさどっています。
思春期に性ホルモンが大量につくられると扁桃体が刺激され、感情の爆発が起きてしまうのです。
このため、親からすると「なんでこんなちょっとしたことで怒ったり、イライラするの?」と眉をひそめたくなります。
対する子ども自身も、よくわからない感情の起伏に襲われて、コントロールできなくなります。性ホルモンで脳が反抗的になっていることを本人は知らないため、言いたくない悪口をお母さんやお父さんに言ってしまうことがとても後ろめたい。
実は苦しい思いをしているのです。
この時期を抜け高校3年生になる18歳で、親の子どもに対する信頼の分量は95%程度、ほぼほぼ満タンになります(グラフ「心配から信頼へ」18歳)。
日本でもようやく18歳から選挙権が与えられましたが、信頼するに足りると考えれば当然のことではあります。