労働力がどんどん減っていく
2025年に中国が製造強国になれるかは、AI、ロボット、IoTといった製造業の技術革新のスピードが、労働力減少を補えるのかという一点にかかっていると言っても過言ではないだろう。中国は世界一の人口大国だが、今後確実に起こってくる労働力の不足は、いかんともしがたいものがあるからだ。
中国の15歳から64歳までの生産年齢人口は、1949年の建国以降、順調に右肩上がりで伸びてきた。具体的には、これまでの6回の全国人口調査によれば、3億4554万人(1953年)→3億8722万人(1964年)→6億2003万人(1982年)→7億5661万人(1990年)→8億8797万人(2000年)→9億9849万人(2010年)である。
ほぼ10年ごとの全国人口調査は2010年が最新なので、その後の正確なデータは出ていない(2018年時点)。だが、国連の『世界人口予測2015年版』レポートは、中国の生産年齢人口のピークは、2015年前後だったと見積もっている。中国の複数の人口学者たちの共著である『中国人口発展の政策と実施』(経済科学出版社、2017年9月)では、2012年がピークだったとしている。
いずれにしても、中国の生産年齢人口は今後、一直線に減り続けていく。生産年齢人口が下降線を辿るということは、当然ながら製造業の発展にとっては、マイナスに作用する。