19世紀建築の元郵便局が1,000㎡の緑の屋根を持つ5つ星ホテルに
Hôtel Madame Rêve(オテル マダム レーヴ)

パリ1区、ルーブル美術館も歩いてすぐというロケーションにある5つ星ホテル。もともとは1886年にジュリアン・ガデの設計により建設された「La Poste du Louvre」という中央郵便局で、建物の基礎部分には、同時代に造られたエッフェル塔と同じような鉄骨組みが使われている。
ちなみに日本最古のホテルは「日光金谷ホテル」の前身、外国人向け宿泊施設「金谷カッテージ・イン」と言われている。その開業が1873年である。そこと変わらない頃の建築物だと聞けば、ほとんど文化遺産のように感じられるが、フランスでは珍しいことではない。こうした歴史的建造物を用途を変えながら、長く利用するのが、フランスの基本スタイルなのだ。

2021年10月にオープンしたこのホテルは、パリの連なる屋根が見渡せる道路側、ルーブル美術館が見える南西側など、客室の位置で見える景色は変わるが、どの眺望もすばらしい。

さらにほとんどの客室は中庭に面しているので、広々とした空間を味わいながらプライバシーが守られるのだ。

室内はオーク材の床、木工家具はクルミ材で統一されている。ところどころにゴールドを配したウッディーな色調は、ラグジュアリーでありながら温かみを感じさせる。
また部屋の照明のスイッチには「day-light」「night-light」の切り替えがある。そのわけは「春から夏にかけてと、秋から冬にかけてでは、太陽の光の入り方が異なる。室内からの眺望と好みに合わせて切り替えてほしい」という。


パリ市街、エッフェル塔、モンマルトルなどのパノラマを絵画のように楽しむ、それがここでくつろぐスタイルなのかもしれない。

もちろん眺望を大切に考えるホテルは、自然を保護するためのサステナブルな取り組みにも真剣である。
大都会の真ん中にありながら、中庭とルーフトップ合わせて1000㎡の植生をしている。この巨大な空中庭園は、ホテルの宿泊客以外にも開かれており、隣接のカフェも利用可能だ。屋上にはソーラーパネルも設置されており、ホテルで使用する温水の約半分は自家発電でまかなわれている。さらに断熱材などの利用と合わせて、暖房エネルギーの節約も進んでいる。

和風をベースにしたフュージョン料理を提供するホテル内レストラン「La Plume」では、革新的なディスプレイやノリのいい音楽で、クラブ的な盛り上がりが楽しめると人気。

Hôtel Madame Rêve
48 Rue du Louvre, 75001 Paris
madamereve.com