タブーを作らず、トレンドを発信し続ける老舗デパート
Printemps(プランタン)

1865年創業、パリのオスマン通りのデパート「Printemps」は、ハイブランドを求めるマダムたちに愛されながら、一方でつねに時代を先取りしてきた歴史もある。
2022年3月の大改装後は、ピンク・黒・グレーのテーマカラーをグリーン、白、ゴールドにチェンジ。再生とフレッシュさのグリーン、ニュートラルなホワイト、プランタンの象徴であるクーポールからとったゴールドが新しいテーマカラーになった。
ロゴマークも「Printemps」の頭文字をハートに模した、ナチュラルで軽やかな「Pハート」と呼ぶ形に変わった。
もちろん変化はロゴやビジュアルだけに留まらない。コンセプトコーナーや自社ブランド、ポップアップストアなどサステナブルを意識した新しい試みも始まった。

レディス館、メンズ館、ビューティ館の3つの建物で構成されているプランタンの、たとえばレディス館3階の「HORS SAISON」には、シーズンオフになったレディス、メンズだけでなく、靴やバッグなどの小物、キッズ製品、時にはインテリアが集まる。ラグジュアリーなデパートに似合わないと思いきや、その理由を広報の小田部さんはこう語る。


「プランタンではシーズンオフになった商品を、セール期間外に売り場内でセールにすることはありません。代わりにジャンルの垣根なくこちらに並べ、幅広い層のお客様にご覧いただけるようにしております。
サイズに限りはありますが、価格は最大で60%オフなので、手に取りやすい反面、逃すと二度と出会えなくなるかも。
毎週アイテムは入れ替わるので、ちょくちょくご覧いただけると、素敵な出会いがあるかもしれません」

また今回新しくお目見えしたのが、プランタンのオリジナルブランド「Saison 1865」。廃棄物を再生させたサステナブルな素材やメイドインヨーロッパ、もしくはフランスで、中には80%リサイクルウールを使ったコートもある。年代や性別を気にせず着られるよう、ベーシックで動きやすいデザインを心がけていて、売り上げの1%が環境保護などに寄付される。

ところでレディス館6階を中心に服や下着、ボディケア製品やコスメなど館内のあちこちに「unis vers」というラベルが見える。
これは?