2023.02.07
# 社会 # 経済

月収9万円シングルマザーの本音「喫茶店のモーニングが贅沢」「70代でアルバイトは他人事ではない」

平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか?

話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。

ここでは、「月収9万円シングルマザー、永遠のような絶望を経験した先の『夢』」と題した「年収120万円」41歳女性へのインタビューをお届けする(前回はこちら)。

みんなサービス残業をやっている職場

工場勤務の時はぴったり最低賃金と同じ時給でしたし、休業補償はしてくれない、年次有給休暇の権利も認めてくれない。こんな会社やってられるかー!とも思って辞めて、失業保険の給付を受けて職探しをしました。

ハローワークに通うと、就職氷河期世代向けの就職支援がありました。氷河期世代を正社員として採用すると、企業に助成金が出る仕組みです。支援を受けて、6歳から18歳までの障害のある子を放課後に預かる放課後デイサービスに就職が決まりました。けれど、事件が起こったんです。

放課後デイサービスはシフト勤務なのですが、早番でサービス残業を要求されたのです。「皆、そうしているから」と。

私は、従業員を守ることが利用する子どもの安心につながるのだから、労働基準法に則って法律を守って欲しいと言ったんです。社長にも、管理職にも。そうすると、「何を言ってるんだ! 皆やっている。できないならシフトに入れないよ」と、えらいことになって。

労働組合にも相談したのですが埒が明かず、結局、辞めることに。ハローワークで、しかも、就職氷河期世代支援で紹介された会社ですよ。