日本での初のランウェイショー開催や、世界での活躍が期待されるブランドに贈られる「東京ファッションアワード」の受賞など、ブランドのターニングポイントとなった2022年。飛躍の年を経て、村田さんが思い描くこれからとは?細やかなホスピタリティーの原点にある父親の影響や、自身がラグジュリーだと思うものについても伺った。

インタビュー前編【「着る人の気持ちまで美しく」――ハルノブムラタが提案する新時代のラグジュアリー】は、アイコンドレス“Eliana”や村田さんが捉える“美しい人”、日本ならではのラグジュアリーの価値観について伺った。

ホスピタリティーの背景は、ホテルマンだった父親の姿

ハルノブムラタのアトリエ

「服を手に取ってもらうプロセスまでデザインするのが仕事」という村田さん。隅々にまで行き届いた細やかなホスピタリティーの原点には、ホテルマンだった父親の影響があるという。

「父親がホテルオークラで長く働いていたので、高級ホテルのようなホスピタリティーにも影響を受けているかもしれません。うちは父親がすごく優しい性格なのに対して、叔父はイタリア人のようにラテンな性格。2人の人柄はとてもコントラストが効いていて、面白いです。

ブランドのホスピタリティーを考える上でも、非日常の体験を提供してくれるホテルのような価値観を付与出来たらと思っていて。だからこそ、顧客様と直接コミュニケーションを取ることができる毎シーズンの展示会もとても大切にしています」。

 

ハルノブムラタの女性像をより鮮明にするバッグ

イタリア製の“Piadina”バッグ

トルティーヤに似たイタリアの名物“Piadina”の名を配した半円のハンドバッグもまた、ブランドの人気アイテムだ。インディペンデントなデザイナーズブランドで、バッグやシューズといったアクセサリーを早くから取り揃えているのは実は珍しく、ハルノブムラタの女性像をより鮮明にする役割を担っている。