平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか?
話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。
ここでは、「不妊治療に対する経済的不安……「リーマン氷河期世代」の憂鬱」と題した「年収450万円」33歳男性へのインタビューをお届けする。
共働きで年収900万円、それでも不安は大きい
地元の北陸地方の平均的な収入より僕の収入は多いかもしれませんが、不安は大きいです。特に最近では不妊治療を始めることで一層、不安になっています。いったい、いくらかかるんだろうって。
何度か転職し、この1年は電車の運転士の仕事をしていて年収は450万円です。地元の相場からすれば、地方公務員と比べても、もらえているほうではないかと思います。
基本給が20万円、そこに家族手当や運転士手当、通勤手当、残業代などがついてトータルで月30万円。手取りは25万円です。
1歳年上の妻の年収は400万円から450万円くらい。二人合わせた収入は900万円ほどになります。
問題は、妻の仕事は5年を期限とした事業ごとに契約されるようなものなので、5年ごとに失職の可能性があるということです。目の前の収入はあるように見えても、いつ仕事がなくなるか分からない。だから、できるだけ節約しないと。
妻の職場は僕たちが住んでいるアパートから少し離れていて、妻の実家の近くにあります。繁忙期には妻は実家から仕事に出て、週末にこちらに戻って一緒に過ごすという生活をしています。