年収200万円、認知症の母の介護の日々…56歳大学非常勤講師が直面する「厳しすぎる現実」

平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか?

話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。

ここでは、「何もかも疲れた……認知症の母との地獄の日常を生きる非常勤講師」と題した「年収200万円」56歳男性(大学非常勤講師)へのインタビューをお届けする(前回はこちら)。

なるべく外出しない……年収200万円切りそう……

本当に経済的に余裕がないので、なるべく必要最低限以外には外出もしないし、贅沢もしない。

しいて贅沢というならば、大学の授業をするために外出したときに駅前の「日高屋」でお昼ご飯を食べるくらい。600円台の期間限定のラーメンに餃子をつけて。でも、一皿6個の餃子じゃないですよ。半分の3個で140円のほうです。

日高屋に、週に1回か2週間に1回行ければいいかなぁ。

つい先日、ちょっと余裕ができたので、母がデイサービスに行っている間の3時間くらい、市内にあるスーパー銭湯に行ってきました。コロナに感染するといけないから、移動は奮発してタクシーで。スーパー銭湯の入浴料800円とお昼代、タクシー代で3000円くらい使ってしまって。今、思えば、少しお金を使いすぎてしまいましたが。

もし叶うなら、母を連れて近場の温泉に一泊旅行に出かけたいですね。でも、お金もかかるし、僕は車を持っていないから母を連れての移動は大変そうだし、きっと難しいかな。コロナもあるし、リスクばかり。母の実家が東北にあって、連れていってあげたいけど、それも難しいでしょうね。