2023.02.02
合格のための寄付金は2000万円……医学部入試、やっぱり最後にモノをいうのは「コネ」と「カネ」
東京医大「不正入試」事件では、同大理事長の臼井正彦被告と学長の鈴木衞被告が贈賄側で逮捕されている。これまで公にされることがなかった医学部入試の実態について、法廷で語られた二人の証言を紹介する。
東京医大「不正入試」事件で分かった医学部入試のリアル(3)
学長室を訪ねてきて……

検事 鈴木さんの学長就任後、縁故者から声掛けがあったということだが、それはいつ頃から、どんな場面で、あるいはどんな方法で具体的に行われたのか。
鈴木 たいていは親しい同僚または同窓生が私のところにやってきて、あるいは電話だったかもしれませんが、こういうご子息がいるからという話をすることが多かったです。
検事 学長室を訪ねてくるのか。
鈴木 学長室を訪ねてくることもあれば、なにかの会議で会った時にお願いされることもありました。手紙は記憶にありませんが、電話はあったと記憶しています。
検事 親しい教授から声掛けがあったとのことだが、それはその教授の子息が受験するのか、または教授の親戚の子息が受験するのか、あるいは教授が親しい誰かから依頼を受け、その話がさらに学長のあなたに入るということなのか。
鈴木 それはいずれもあったと思います。
検事 親しい教授とはどんなレベルか。
鈴木 立場は特に決まっていません。そこは関係なく来ていました。
検事 あなたに話を持ってきた親しい教授のなかに副学長や病院長のレベルはいたのか。
鈴木 いたと思います。