【緊迫の最前線レポート】山口組「分裂抗争」の驚くべき結末【七代目は誰に…「リアル・アウトレイジ」】
前編記事『指定暴力団「六代目山口組」と「神戸山口組」抗争が膠着状態…しかし彼らが決着を急がねばならない「事情」』から続く。
いつになったら終わるのか。国内最大の指定暴力団「六代目山口組」と敵対組織「神戸山口組」の抗争は膠着状態に陥り、混沌を極めている。その現状と今後の行方に、暴力団取材の第一人者が迫った。
暴力団は極小化していく
分裂抗争に話を戻せば、六代目山口組の組員数が他の反六代目側を圧倒している。今後、山口組の分裂抗争劇がどうなるかだが、派手な銃撃はますます少なくなり、今年中に決着はつかないだろう。10年戦争になるという読みさえある。
井上組長と高山若頭の目が黒いうちは、泥沼にはまったように情況が動かない。
そのくせ両組織の組員数は勝っても負けても、これまで通り減少していく。他の暴力団が低減しているように山口組も低減し、ゆくゆくは名ばかりの存在になるかもしれない。
なぜなら井上組長も司組長、高山若頭も「若い組員はどうしたら食えるか」という問題に取り組んでこなかったからだ。幹部は下の者から吸い上げれば食えるので、若い組員には「お前らも組で偉くなれば、いずれ食えるはずだ」と助言している。だが、これは過去の話にすぎない。

今は暴力団の構造不況が極まり、組は極小化し、ほどなく消失するかというレベルにある。偉くなるもヘッタクレもないのだ。
つまり高山若頭も井上組長も「わが亡き後に洪水よ来たれ」という態度では同じである。ヤクザ業界が生き残るため、あるいは末端の組員が食えるようになるため、今できることは何か、といった発想はいっさいない。
この点、反六代目で固まる池田組や絆會の方が自覚的かもしれない。両組は「下から吸い上げない」を眼目にして、末端組員が月会費の納入のため無理な金策をしないですむ態勢を取る。