子どもが「贅沢な消費財」になった…少子化を抑えるには「ハンガリー」を見習うべきワケ
前編記事『「百合子、文雄、子どもを増やす気があるのか?」…日本は少子化の“ほんとう”の原因をわかっていなかった』に引き続き、日本が本当にすべき少子化対策について、ハンガリーの政策も交えて紹介する。
結婚の援助制度も重要

'71〜'74年の「第二次ベビーブーム」で誕生した子供たちが結婚適齢期を迎える'90年代後半から'00年代前半に「第三次ベビーブーム」が起きると言われていた。しかし彼らはさほど結婚せず、出生数は増えなかった。
それから20年、若者はますます結婚から遠ざかっている。生涯未婚率は'70年の男性1.7%、女性3.3%から、'20年は男性28.3%、女性17.8%にまで増加した。
「婚姻率」を見ても、結婚の減少が一目瞭然だ。「人口1000人あたり、年間で何件の結婚があったか」を表す数値だが、'71年に10.5だった婚姻率は、'21年には4.1と半分以下になった。
結婚が減少した一つの原因は、お見合いや職場結婚が減ったから、だ。
「政府は若者の草食化を問題視していますが、恋愛と疎遠な人が一定数いる状況は昔から変わらない。それでも昔の人が結婚できたのは『結婚はするものだ』という社会の空気があり、お見合いや職場で御膳立てをするシステムがあったからです。
ところが現代は『結婚は自分でなんとかしろ』という時代で、男性は『経済力』が求められるようになってしまった。マッチングアプリでも結婚相談所でも、年収が低い男性は女性と出会うことすらできません」(独身研究家の荒川和久氏)
男女が出会えるようにするには、「見合い」に代表される、周囲の大人が若者の結婚を斡旋・援助する制度を復活させることも、ここに至っては必要なのかもしれない。