【支払い総額3146万円】99歳の女性を狙った「JA農協の不正疑惑」の手口がヤバすぎる
前編『【岐阜発】99歳女性を追い込んだ「農協職員の鬼畜な全所業」【むしり取られた額、3146万】』から続く。
「カモ」が引き継がれて
康子さんは言葉巧みに物品も売りつけられていたようだ。判明している中で最も金額が大きいのは、'03年に購入した仏具のおりん。木箱に「十八金製」と書かれたその価格は160万円だった。
「祖母によると、JA職員が『隣の家だけでなく私も買ったから、あなたもぜひ』と言うんで、買わされたようなんです」(新開さん)
いずれも長年にわたって、複数の職員が高齢者を食い物にしてきた形跡がある。その理由について、近畿圏に勤める筆者の知人のJA職員は次のように推測する。
「JA職員はだいたい3〜5年で別の地区担当に異動します。歴代の担当者の間で『あの家は簡単に保険や物を買ってくれる』と、カモになる組合員の家が引き継ぎされてきたんでしょう。JAではよくあることです」

不思議なのは、なぜ保険の契約や口座の開設を本人に代わってできるのか、ということだ。
JA職員が続ける。
「少なくとも10年くらい前まで、JAの金融事業は『何でもあり』でした。保険の契約だと本人の了解を得なくても、百均で買ってきた印鑑や代筆署名でいけたんです。遠くに住んでいる息子や娘を保険に入れる親に対して、JA職員がよく使う手ですね。
口座開設もそう。本来であれば本人の了解と身分証明書が必要ですが、免許証や保険証の番号さえわかれば、あとは何とでもできた。ただ、さすがにここ5年ほどは、どのJAでもそれを許さないほどに厳しくなっているとは思うんですが……」