関東各地の強盗殺人事件が連日報道されている。発端は1月19日東京都狛江市で90歳の女性が殺害されたことだ。それ以前、12日には千葉県大網白里市のリサイクル店で強盗傷害事件が発生。同様の手口の強盗事件などが7件確認されているという。
この強盗グループが連絡手段に通信アプリ「テレグラム」を使っていることも注目されている。テレグラムとはロシア人技術者が開発したメッセンジャーアプリで、通話やLINEなどに比べて暗号が強固だという。サーバーを通さず、ユーザー間通信でメッセージを送ることができるため、運営側に内容を見られる心配がない。さらに時間が経つとやり取りの履歴が消去されるため、政治家、法曹関係者、会社経営者、芸能関係者などプライバシーを重視する人々には知られていた。韓国で起きた戦慄のデジタル性犯罪事件「n番部屋事件」でも、テレグラム上に作られたチャットルームが悪用された。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「浮気をしている人は、複数の通信アプリを使う傾向があり、アイコンの種類や、送信ミスから浮気がバレることが多々あります」と語る。
彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。
今回山村さんのところに相談にきたのは、会社経営者の陽介さん(55歳)だ。「結婚2年目の妻が外泊を繰り返している。加えて自分とは使っていないはずのテレグラムのアイコンを見てしまった」と青ざめた表情で駆け込んできた。
この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
2度目の調査依頼
依頼者・陽介さんの依頼は2回目です。前回は11年前、家出した当時18歳の息子の調査でした。陽介さんは代々食品関連の輸入会社を経営しており、息子は跡を継ぎたくないと失踪したのです。
「あのときはお世話になりました。息子はあれからなんとか大学は卒業し、今は料理人として修業しています。それにつけても、下からあの学校(名門私立大学付属一貫校)に入れたのにね。まあ、働いているのも超一流店で、年収も1千万円近いそうです。飲食も上になると給料が高い。今度は海外に行くみたいです。OB・OGの応援もありますからね」

陽介さんは祖父の代から、その名門校で学び、人脈を作るのが習わしだそう。10年前に離婚した妻もその卒業生でした。
「妻は用意周到に離婚の準備をして、僕から金をむしり取って離婚。今は10歳も年下の歯科医と再婚し、幸せみたいです。僕を苦しめた妻よりも幸せになろうと決意し、2年前に今の妻と再婚したんです」