2023.01.30
アメリカで株価が一時上昇…でも、じつはそのウラで「IT業界に危機的な状況」が訪れていた…!
IT大手の業績懸念
足許、米国の大手IT企業の人員削減が目立っている。
1月18日、マイクロソフトは3月までに世界で従業員1万人程度を削減すると発表した。
同社のサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)など戦略的な事業では採用を続けるとしながらも、顧客企業の支出抑制に合わせコストカットを強化する。

IT大手企業のリストラの動きは、今後の世界経済と金融市場の展開を予想するために重要な意味を持つ。
これまで、クラウド・コンピューティング事業は景気減速・後退に耐性を持つと考えられてきた。
しかし、マイクロソフトは、米金利上昇などによる需要減少に耐えられなくなり人員をさらに減らす。
セールスフォースやグーグルの持ち株会社アルファベットもリストラを進める方針だ。
IT大手企業のトップの業績悪化懸念は強まっている。
そうした状況にも拘らず、今年初以降、大手IT企業などの株価は上昇した。
その背景には、世界経済の先行きを楽観する投資家が増えていることがあるとみられる。
ただ、FRBの追加利上げなどによって世界経済の後退懸念は高まる可能性もある。
そうして懸念が意識されると、投資家の楽観が急速に委縮することも想定される。
どこかの段階で、世界的に株価の調整リスクが高まる展開を、頭のどこかに入れておく必要がある。