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目前にバッファローが…ザンビアのサバンナを歩いて感じた「人間の傲慢さ」
2023.02.08

アフリカウォーキングサファリ #2

目前にバッファローが…ザンビアのサバンナを歩いて感じた「人間の傲慢さ」

目前にバッファローが…ザンビアのサバンナを歩いて感じた「人間の傲慢さ」 写真提供:山口由美 画像ギャラリーを見る→

アフリカ・ザンビアの「ウォーキングサファリ」は、まだ「エコツアー」と言う言葉もない1960年代に、象のハンターをしていたノーマン・カーが発案したと言われている。エコツーリズムの原点とも言える。
そのザンビアでの「ウォーキング・サファリ」に昭和から平成にと変わった1989年参加したのが旅行作家の山口由美さんだ。

「狩猟のサファリより、動物を撃たないサファリ、すなわち動物保護に徹するエコツーリズムのほうが、ライオン1頭あたりの経済効果が大きいことを数字で証明した論文がある」と山口さんも言うように、今ではエコツアーが主流となった。
だが野生動物の生態を「見に行く」ツアーが生まれるまでは、銃を手に「狩りに行く」のが主体だった。
そしてそれは残念ながら、今も合法、非合法のどちらでも続いている。

かつての体験をふまえ、山口さんは33年後の令和3年、サバンナを徒歩で巡る「ウォーキングサファリ」に参加した。
両方を体験したからこそ伝えられるザンビアのウォーキングサファリの旅、前編「ザンビアで歩いて野生動物を見る『ウォーキングサファリ』エコツアーの原点とは」では過去のツアーを思い出しながら、エコツーリズムの生まれた背景について綴っていただいた。

後編では「銃を持つスタッフ」を前にした山口さんが、令和のサファリツアーで感じた「野生動物」と人間の距離感、そして「人間の旅」の意味についてお伝えしていく。

銃を持つスタッフと茶を運ぶポーター

私のザンビア再訪は11月。乾季が終わり、雨季が始まる季節だ。南半球では夏の始まりでもある。国立公園のゲートから遠いロッジは、道路事情が悪くなることから営業を終了するところもある。かつて滞在したチベンベ・ロッジは改装中でシーズンオフ。今回、私は公園ゲートの近く、老舗のムフウェ・ロッジに滞在した。

ムフウェロッジの客室は水辺にたつコテージスタイル。手前にカバが見える。写真提供:山口由美
ムフウェロッジの客室にはテラスがあって、野生動物を観察できる。写真提供:山口由美

一般にサファリロッジでは、早朝から午前中と、午後から日没にかけて、1日2回のゲームドライブがある。ムフウェ・ロッジでは、リクエストすると、それをウォーキングサファリに変更することが出来る。
途中まではゲームドライブと同じ4WDでサバンナを走る。大きな木の下に車を停めて、いよいよ歩き始める。
「スカウト」と呼ぶ銃を持ったスタッフ、次にガイド、続いて参加者の私、最後にお茶のセットを運ぶポーターが続くのは、33年前のチベンベ・ロッジと全く同じ。ウォーキングサファリのスタイルは昔と何も変わらない。
ひとつだけ昔と違うのは、ポーターの運ぶ大きな箱がバックパックになり、火起こしでお湯は湧かさず、保温水筒を持参するようになったことである。

2022年に参加したウォーキングサファリのガイドはフランシス。写真提供:山口由美
2022年のウォーキングサファリでは1989年の時のように火起こしはしない。だが、ティータイムにポーターがお茶を入れてくれるのは同じ。写真提供:山口由美
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