2023.01.31
# 社会 # 経済

貧しい日本で60〜80代はどう生きればいいか…多くの人が経験する「長い老後」の不安な実態

〈年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働く――。〉

9万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』では、多数の統計データや事例から知られざる「定年後の実態」を明らかにしている。

定年後「管理職」に就く人は…

定年前、管理職に就く人も出てくる。

〈部長職の構成比率は、50代前半で26.6%、50代後半で26.9%と50代でピークを打った後は急速に減少し、60代前半には8.8%、60代後半には2.7%までその数を減らす。

(中略)

課長職の年齢構成をみると、60代前半でその職に就く人の比率は2.9%、60代後半は0.5%となる。50代後半以降、多くの人は役職定年や定年を経験して役職をはく奪される。〉(『ほんとうの定年後より)

60代で管理職という人はほとんどいないという現実がある。

また、定年後には、現場仕事やフリーランスで働く人が多いため、管理するだけの能力は役立たなくなる。

「年収300万円以下が大半」という現実

収入は当然ながら、減少する。

〈60代前半では平均収入は357万円で、上位25%所得は450万円、収入の中央値は280万円となる。

60代後半に目を移すと平均額は256万円まで下がり、上位25%所得は300万円、中央値が180万円まで下がる。

定年後の就業者の収入の実態を探っていくと、300万円以下の収入の人が大半であることがわかる。〉(『ほんとうの定年後』より)