歌舞伎ファンもうならせたSnow Man宮舘涼太の役者ぶり
歌舞伎の未来はジャニーズにあるのか歌舞伎に挑戦するひたむきさ
昨年、襲名した市川團十郎が披露興行を終えて、「襲名記念プログラム」のパートナーに選んだのは、ジャニーズのアイドルだった。
新春歌舞伎公演「SANEMORI」で源義仲・義賢を演じたSnow Manの宮舘涼太。彼の熱演はSNS上でも話題となり、初日から千秋楽まで大好評のうちに幕を閉じた。
1月の他の歌舞伎興行がおおむね低調だったため、ジャニーズの集客力があらためて浮き彫りになった形だ。
宮舘が歌舞伎の舞台に立ったのはこれが初めてではない。2019年11月の「ABKAI~第一章FINAL~『SANEMORI』」では源義仲役を勤めている。二度目の抜擢である今作は、「大名跡の襲名披露」に参加するという大きな挑戦であったが、見事に期待以上の結果を残したと言えるだろう。

ご存じの通り、歌舞伎の舞台で主役級の役を務められるのは、歌舞伎の家に生まれた御曹司だけ。そうでない一般家庭の出身者もいるが、彼らは実力ある役者の「芸養子」として立場を保証されてから舞台を踏むことになる。
言うまでもなく宮舘はジャニーズ事務所のアイドルで、歌舞伎はほぼ素人。御曹司でも芸養子でもないが、彼の演技からは歌舞伎という伝統芸能への敬愛、「舞台に立たせていただいている」という謙虚な気持ちが痛いほど強く感じられ、そのひたむきさを見るだけで胸がいっぱいになった観客も多かったのではないか。
そして、この公演の成功によって、歌舞伎界に新しい希望を見出すこともできた。